【おすすめTED解説】アラブ人とユダヤ人が手を組んだ斬新な旅行ツアー

アラブ人とユダヤ人が手を組んだ斬新な旅行ツアー TED Talks 解説

こんにちは、ricaです。

TED talks を300コンテンツ以上視聴してきた私が、おすすめの TED talks を解説付きで紹介します。

Talkの内容を要約しながら英単語やフレーズなどピックアップしています。

英語学習にも、日々の学びにもお役立ていただけると思いますので是非ご覧ください♩

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今回は旅関連の動画を。

ツアー会社を営むパレスチナ人のアジズ・アブ・サラさんは、ある思いから斬新なサービスを提供しています。

5分以下の短い動画で、アクセントのクセもなくはっきりゆっくり聞き取りやすいtalkです。

TEDは正直難しすぎる、と思っている方や、英語学習のモチベーションが落ちてきてしまっている、という方にも観ていただきたいです。

ただ、内容理解のためにはパレスチナ問題を少しだけ理解(おさらいですね)しておく必要があります。

パレスチナ問題とは

アラブ人とユダヤ人の対立のことですね。

もともとパレスチナの地にはアラブ人が住んでいました。

第二次世界大戦後、ナチスによる迫害を受けたユダヤ人は自分たちの国家を建設したいと思うようになります。

そして1947年に、国連分割案(パレスチナの地の半分以上をユダヤ人に与える)が採択されます。

これを受け、パレスチナの土地にユダヤ人は自分たちの国イスラエルを建国します。

これにアラブ人が反発し、第一次中東戦争が勃発します。この戦争によりアラブ人は難民となってしまい、パレスチナ難民と呼ばれるようになります。

ちなみに、池上彰さんと増田ユリヤさんがこちらの動画でとても分かりやすく解説されています。(イスラエルとUAEの国交正常化のニュースがありましたね)

6:11から、パレスチナ問題については詳しく分かりやすい説明があります。

《パレスチナ問題 (前編) 》相次ぐイスラエル・アラブ諸国の国交正常化 中東で何が起きている?

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For more tolerance, we need more … tourism?
寛容さを育むため、観光に出かけよう!

Aziz Abu Sarah
アジズ・アブ・サラ

2014年3月

4:37

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ユダヤ人への憎悪

rica
rica

パレスチナ人スピーカーのアジズさんは観光事業を営みながら平和構築に取り組んでいます。

talkは幼い頃の思い出から始まります。

When I was seven years old, I remember watching television and seeing people throwing rocks, and thinking, this must be a fun thing to do.

7歳のとき テレビで 皆が石を投げているのを見て 「これは面白そうだ」と思いました

So I got out to the street and threw rocks, not realizing I was supposed to throw rocks at Israeli cars.
Instead, I ended up stoning my neighbors’ cars.
They were not enthusiastic about my patriotism.

本来 イスラエルの車に向けて 石を投げるべきだったのですが
近所の車に 石をぶつけてしまいました
私の愛国主義は 感心されませんでした

NEW WORD

patriotism:愛国心

rica
rica

おっと、ド直球ですね。(笑)

画面に映っているのは、アジズさんとアジズさんのお兄さんの当時のお写真。

But my brother, who is older than me, was arrested when he was 18, taken to prison on charges of throwing stones.

私のこの兄は 18歳のときに逮捕され 投石の罪で刑務所に入れられました

NEW PHRASE

on charges of:〜の罪で

チャージという単語は日常生活でも使うことが増えて馴染みのある言葉になっていますね。

ちなみにin charge ofは〜の担当で、という意味でビジネスでよく使われる表現です。

He was beaten up when he refused to confess that he threw stones,
and as a result, had internal injuries that caused his death soon after he was released from prison.

石を投げたことを認めなかったため 彼は暴行を受け
内臓に損傷を負い そのことが原因で 出所後すぐに亡くなりました

NEW WORD

beat up:殴ってボコボコにする

rica
rica

アジズさんは怒りに湧いたそうです。

そこで、復讐してやろうと心に誓います。

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嫌うのではなくて、どう向き合うのか

rica
rica

そんな中、アジズさんが18歳の時に転機が起こります。

憎きはずのイスラエル人と良い出会いをします。

I decided that I needed Hebrew to get a job,
and going to study Hebrew in that classroom was the first time I ever met Jews who were not soldiers.

就職のため ヘブライ語を学ぼうと
ヘブライ語の学校に通い そこで 初めて 兵士ではないユダヤ人に会いました

rica
rica

ヘブライ語は、旧約聖書の時代に話されたユダヤ人の言葉ですね。

発音の仕方はヒーブルー。初めは聞き取れませんでした。。

rica
rica

そしてパレスチナ人には珍しくカントリー音楽が好きだったというアジズさん。

そのユダヤ人と仲良くなったそうです。

But it was then that I realized also that we have a wall of anger,
of hatred and of ignorance that separates us.
I decided that it doesn’t matter what happens to me. What really matters is how I deal with it.

And therefore, I decided to dedicate my life to bringing down the walls that separate people.

ただ そのとき初めて 二人の間には壁があることに気付きました
怒り 憎悪 無知という壁が 私たちを隔てているのです
でも 私は思いました 自分の身に何が起こるかは重要ではなく 本当に大事なのは 私が それにどう向き合うかだと
ですから 私は人生をかけて 人々を隔てるこの壁を 崩そうと決めました

NEW WORD

ignorance:無知、無学

ignoreが「無視する」の意味なので、「無視」と訳してしまいそうですが、ややこしいことにignoranceは「無知」の意味になります。

無視と無知じゃ全然意味合いが変わってきますよね。

rica
rica

この複雑な感情は私たち日本人にも思い当たるところがあり、、ませんか、、?

I do so through many ways.
Tourism is one of them, but also media and education, and you might be wondering,
really, can tourism change things?Can it bring down walls?

以来 様々な方法で 取り組んでいます 観光も その一つですし メディアや教育もあります きっと こうお思いでしょう 「観光で何かを変えられるのか? 壁が崩せるのか?」

rica
rica

アジズさんの答えはイエスです。

私もアグリーです。

なぜなら、十数年前からたびたび訪れる隣国の文化のブームを経験して身に染みて感じてますもん。。

(冬のソナタとか今の若い人って知らないかもな・・・)

Tourism is the best sustainable way to bring down those walls and to create a sustainable way of connecting with each other and creating friendships.

観光こそ 最も安定して これらの壁を打ち崩し お互いを結びつけて友情を培う 持続可能な方法を 創れるものなのです

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敵国同士仲良くするための斬新なアイディア

rica
rica

アジズさんはMejdi Toursという会社を設立しました。

それも、憎かったはずのユダヤ人と。

観光を通じて人々を結びつけることがミッションです。

we would have two tour guides, one Israeli and one Palestinian, guiding the trips together,
telling history and narrative and archaeology and conflict from totally different perspectives.

イスラエル人とパレスチナ人各1名の ツアーガイド2名で 一緒に観光案内をするというものです
二人は 全く異なる観点から 歴史や言い伝え 考古学や紛争を語ります

NEW WORD

narrative:物語、解説文

形容詞っぽい単語ですね。実際形容詞で「物語の」という意味はありますが、今回は名詞として使われています。

他のTEDTalksでもよく見かける単語ですが、

名詞で使われることの方が多いように感じます。

NEW WORD

archaeology:考古学

I remember running a trip together with a friend named Kobi —
Jewish congregation from Chicago, the trip was in Jerusalem —

and we took them to a refugee camp, a Palestinian refugee camp, and there we had this amazing food.

以前に コビーという友人と 一緒にツアーをしました
シカゴからのユダヤ人の方々を エルサレムで案内したのですが
皆さんを パレスチナの 難民キャンプにお連れし そこで このような ご馳走を食べました

NEW WORD

congregation:集会、人の集まり

左のヒジャブの女性はお母さまだそう♡

And that’s the Palestinian food called maqluba.
It means “upside-down.” You cook it with rice and chicken, and you flip it upside-down.

これは パレスチナの料理 「マクルーバ」です
「ひっくり返す」という意味で お米と鶏肉を調理し 最後にひっくり返すのです

NEW WORD

upside down:上下を逆さまにする

なんとなくわかりそうでわからない単語・・・(私だけかも)

rica
rica

おいしそう♡

それから、イスラエル人とパレスチナ人の合同バンドが演奏して皆でダンスまで踊ったそうです。

But when we left, both sides, they were crying because they did not want to leave. Three years later, those relationships still exist.

そして 私たちが帰る日には 双方とも泣いていました 離れたくなかったのです
3年経っても まだこの関係は続いています

旅をしよう、そして現地の人と繋がろう

Imagine with me if the one billion people who travel internationally every year travel like this,
not being taken in the bus from one side to another,
from one hotel to another,
taking pictures from the windows of their buses of people and cultures,
but actually connecting with people.

想像してください 毎年 海外旅行をする― 10億人の人たちが こんな風に旅をするんです
ただ バスに乗って名所をまわり
ホテルを移動し
車窓から 人々や文化の 写真を撮るのではなく
実際に人と結びつくのです

rica
rica

バックパッカーでもない限りなかなか経験できないですが、実際に現地の人と触れ合い様々な経験をすることが旅の醍醐味ですよね。

I remember having a Muslim group from the U.K.
going to the house of an Orthodox Jewish family, and having their first Friday night dinners, that Sabbath dinner,
and eating together hamin, which is a Jewish food, a stew,
just having the connection of realizing, after a while, that a hundred years ago, their families came out of the same place in Northern Africa.

以前 イギリスからの イスラム教徒のグループを
正統派ユダヤ教徒の家に お連れして そこの家族と 安息日の夕食を共にしました
ハミンというユダヤ料理のシチューを 一緒に食べました
しばらくして 100年前 彼らの祖先もまた 北アフリカの同じ地方から やって来たのだと気づき 絆を深めたのでした

NEW WORD

orthodox:正統派の

日本語でもよく使われる、オーソドックスですね。

NEW WORD

sabbath:安息日

キリスト教は日曜日が安息日ですが、ユダヤ教は金曜日の夜から土曜日の夜までが安息日になります。

rica
rica

最後の締め括りです。

This is the future of travel, and I invite you to join me to do that, to change your travel.
We’re doing it all over the world now, from Ireland to Iran to Turkey, and we see ourselves going everywhere to change the world.

これは 旅行の「未来」です 皆さんも 私と一緒に 旅を変えてください
私たちは 世界中で この取組みをしています アイルランドから イラン トルコまで 皆で あちこちに出かけ 世界を変えていきましょう

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いかがでしたか?

面白い取組ですよね。

歴史を2つの国の視点からガイドするなんて、殴り合いの喧嘩になりそうですが(笑)、

多くの人が一方の視点に偏りすぎていることもまた事実かと思います。

敵視してばかりではなく、少しだけでも相手に寄り添い、理解しようと努力する姿勢を持つことが大事なのかもしれません。

私自身は、昔、一方の思考に偏りがちなタイプでした。

でも、大人になるにつれ、それって教養がない感じがするし、感情的で幼稚に見えるな、と反省をして、できるだけニュートラルに物事を捉えるように気をつけています。

そして、早く海外旅行にも行ける世の中になって欲しいですね。

それでは♡

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