【おすすめTED解説】選択肢の多さがもたらすパラドックス

TED Talks 解説

こんにちは、ricaです。

TED talks を300コンテンツ以上視聴してきた私が、おすすめの TED talks を解説付きで紹介します。

Talkの内容を要約しながら英単語やフレーズなどピックアップしています。

英語学習にも、日々の学びにもお役立ていただけると思いますので是非ご覧ください♩

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今日は、「選択のパラドックスについて」。

「選択肢が多いことって、本当に幸せなの?」という疑問について考えていきたいと思います。

スピーカーのバリー・シュワルツさんは、「選択肢が多いことは幸せである」と当たり前のように考えられている現代の風潮に疑問を呈します。

選択肢が多いことによって、せっかく悩んで決めたことなのに満足できなかったり、悩みすぎて結局なにも選択できなかった、ということが起こりうると説明します。

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The paradox of choice
選択のパラドックスについて

Barry Schwartz
バリー・シュワルツ

19:37

話すスピードの速さ★★★☆☆
動画の長さ★★★★☆
語彙の難しさ★★★☆☆
アクセントの難しさ★★☆☆☆
笑いどころの多さ★★☆☆
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あなたの近所のスーパーには、何種類のドレッシングが並んでいますか?

rica
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心理学者であるバリーさんは、西欧社会の根幹をなす考え方である「選択の自由」について、疑問を呈します。

if we are interested in maximizing the welfare of our citizens, the way to do that is to maximize individual freedom.

もし我々が自らの市民の繁栄を 最大限にすることに興味があるのなら その方法は 個人の自由を最大限にすることである

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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welfare:幸福、繁栄、福祉

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そして、”自由であるということは、選択権が多く与えられていることである”とも。

This, I think, is so deeply embedded in the water supply that it wouldn’t occur to anyone to question it.
And it’s also deeply embedded in our lives.

この考えが 私が思うに あまりにも深く浸透しているため 誰もこれに異議を唱えようとすら 思わないのです
またこれは我々の人生にも 深く埋め込まれています

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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embed:埋め込む、(心などに)深く留める

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そして、バリーさんは、近代で可能になったいくつかのものについて、皮肉混じりに例を挙げていきます。
まず、家の近くのスーパーマーケット。

A hundred seventy-five salad dressings in my supermarket, if you don’t count the 10 extra-virgin olive oils and 12 balsamic vinegars you could buy to make a very large number of your own salad dressings,
in the off-chance that none of the 175 the store has on offer suit you.

私のスーパーには 175種のドレッシングがあって それに加えて10種の エキストラ・バージン・オリーブ・オイルと 12種のバルサミコ酢があります
もしここの 175の既製品のドレッシングの中には 気に入ったのがなかった時に 自分で作れるようにね

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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off-chance:わずかな見込み、可能性

どんな商品も膨大な数の種類がありますね。
rica
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同様に、電機屋さんに行ってもそうであると。

バリーさんは、ステレオシステムを作るために、もの凄い種類のスピーカー、CDプレイヤー(今の時代では減ってきていますかね)、テープデッキ、チューナー、アンプなどを選ばなくてはならない、と言います。

You’ve got to admit that’s a lot of choice. In other domains — the world of communications.

これは莫大な数の選択肢だと 認めざるを得ませんね 他の分野では コミュニケーションの世界

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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domain:領地、領域、分野

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バリーさんが子供の頃は、電話は借りる時代でした。

しかし今の時代では、携帯電話の種類は無尽蔵に存在しています。
MP3プレーヤー、鼻毛切り、クレームブリュレバーナーが一体型になった携帯電話が発売されるのも近いんじゃないの?と皮肉たっぷりです。(そう、iPhoneならね)

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医療に関しても同様のことが起こっています。

病院に行っても、医者がどうすれば良いのか教えてくれる時代は終わったと言います。

患者は、医者から「Aにはこんな効果とリスクがあって、Bにはこんな効果とリスクがあるけど、どうしたいですか?」と聞かれる。

we call it “patient autonomy,” which makes it sound like a good thing,
but what it really is is a shifting of the burden and the responsibility for decision-making from somebody who knows something —
namely, the doctor — to somebody who knows nothing and is almost certainly sick and thus,
not in the best shape to be making decisions — namely, the patient.

これを「患者の自己決定権」と呼び こう呼ぶと とてもいい事のように聞こえますが―
でも本当は何が起こっているのかと言うと 決断権の重荷と責任を 何らかの知識のある者から ―
この場合は医者から― 何も知らず 少なくともとても具合が悪いので
判断をくだすのに必ずしも適さない者 すなわち患者に委ねているのです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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autonomy:自主性

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namely:すなわち

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good shape:体調がいい

凄く体調が良い時はgreat shapeと使ったりもするようです。

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そして結婚や子供についても、多くの選択肢があると言います。

今は結婚をしない、子供をつくらない、同性婚など多様な価値観が浸透しつつありますが、私たちの親世代では、「できるだけ早く結婚する」「結婚したらすぐに子供を作る」などの価値観がまだ色濃く残っていると感じます。

Nowadays, everything is very much up for grabs.

現在では 全てのものがどうにでもなってしまっています

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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up for grabs:そのチャンスは誰にでもある

誰にでもどうにでもできる、という意味合いかなと解釈しました。

rica
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そしてバリーさんは学生たちに、以前と比べて与える課題の量を20%程度減らしてると言います。

It’s because they are preoccupied, asking themselves,
“Should I get married or not? Should I get married now? Should I get married later? Should I have kids first or a career first?”
All of these are consuming questions.

それは学生達が 他のことで頭がいっぱいだからです
「結婚をするべきか否か? 今結婚をするべきか? 結婚を遅らせるべきか? 子供が先か、キャリアが先か?」
これらは圧倒的な質問です

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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preoccupied:没頭している、気を取られている

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consuming:身を焦がすほどの、熱烈な

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ですので学生達は課題や成績に関わらず、これらの質問の解を探していかなければいけない、と言います。

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そして、仕事に関しても同様です。

Wi-FiとPCさえあれば、仕事はいつでもどこでもできるような世の中になりました。(もちろん、その場にいなければできない仕事だってたくさんありますよね)

このことが意味することというのは、プライベートの時間に仕事をすべきかどうかの判断を下さなければいけない、ということになります。
バリーさんは、子供のサッカーの試合に、仕事の携帯電話とラップトップを持ち込んで応援に行っている時の例を出します。

And even if they’re all shut off, every minute that we’re watching our kid mutilate a soccer game, we are also asking ourselves,
“Should I answer this cell phone call? Should I respond to this email? Should I draft this letter?”

それらが全て電源が落とされていたとしても 子供がサッカーの試合を むちゃくちゃにしているのを観ながら 常に自問自答をしているのです
「この電話にでるべきだろうか? このメールの返事は? レポートのドラフトは?」

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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mutilate:台無しにする、切断する、切り裂く

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これわかりますよね〜。

特に、最近ではリモートワークが進んできているので、どこでも仕事ができて便利な反面、オンオフの切り替えができないと悩んでいる人も多いですよね。

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選択肢が多すぎることによる弊害

So everywhere we look, big things and small things, material things and lifestyle things, life is a matter of choice.
And the world we used to live in looked like this.

周りを見回してみると 大きなことも小さなことも 物質的なことも生活に関わることも 人生の全てが選択に集約されています
我々が以前生きていた世界は このようなものでした

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
この絵が何を表しているか、考えてみてください。
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written in stone:決定事項、変えられないこと

rica
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この絵は、モーセの十戒を表しています。

旧約聖書に書かれている、神がモーセを通じて与えたとされる10の戒律ですね。モーセおじさんが手に持っているのが、それらが書かれた石板です。

That is to say, there were some choices, but not everything was a matter of choice. The world we now live in looks like this.

というのは いくつかの選択はありましたが 全ての物事が選択ということではなかった 我々が今生きている世界はこんな感じです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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That is to say:すなわち、つまり

では、こちらの絵はなんでしょう?
rica
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十戒のDIYキットです(笑)

自分で何もかもが選択できてしまうということですね。
そして、バリーさんは、選択の自由には良い面も悪い面もあるが、良い面については皆がよくわかってると思うので、悪い面についてお話します、と言います。

選択肢が多すぎて結局何も選べない

One effect, paradoxically, is that it produces paralysis rather than liberation.
一つは 矛盾しているのですが これが開放感ではなく 無力感を生むということです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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paralysis:まひ、まひ状態、無気力

パラリシスと読みます。動詞はparalyze(まひさせる、〜を無力にする)で、パラライズと読みます。

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liberation:開放、釈放

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選択肢が多すぎると何も決められなくなってしまう、ということだそうです。

バリーさんは一つ例を挙げます。

I’ll give you one very dramatic example of this, a study that was done of investments in voluntary retirement plans.
A colleague of mine got access to investment records from Vanguard, the gigantic mutual fund company, of about a million employees and about 2,000 different workplaces.

これの非常にいい例をひとつ出しましょう 定年後の年金投資計画に関する研究で
私の同僚が ヴァンガードという巨大な投資信託会社から 約2000か所の職場に渡る 約100万人の社員の情報を手に入れたのです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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voluntary:自発的な、任意の

ボランティアという言葉から想像できますね。

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retirement plan:退職に備える積立金制度

英単語とは関係ないですが、日本では退職時に退職金をドカっと貰えるのが一般的ですよね。(最近は減ってきているようですが)

アメリカにはそのような制度はほとんどなく、毎月上限なしの投資をする形で積み立てをしていくのが一般的なようです。

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mutual fund:投資信託、投資信託会社

mutualは「相互の」「共通の」という意味です。

投資信託は個人から資金を集めて専門家が運用し、その収益を分配するという仕組みになっているので、mutualという単語が使われてあるのだと思われます。

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その情報によると、選べる投資信託の種類が多くなるほど、この投資プログラムへの参加率が低くなっていたそうです。

会社が提示する投資信託が10件増えるごとに、参加率が2%下落。

50件提示すると、5件の時と比べて10%減少してしまったんだそうです。

Because with 50 funds to choose from, it’s so damn hard to decide which fund to choose, that you’ll just put it off till tomorrow,
and then tomorrow and then tomorrow and tomorrow, and, of course, tomorrow never comes.

50件もの投資信託が提示されると どれを選べばいいのか決めるのが難しくなり
後回しにしてしまうのです それで 一日一日と延ばしていき
それがどんどん積み重なって 結局決断を下す事はなくなるのです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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put off:延期する、遅らせる

Understand that not only does this mean that people are going to have to eat dog food when they retire because they don’t have enough money put away,
it also means that making the decision is so hard that they pass up significant matching money from the employer.

理解しなくてはならないのは これが人々が 引退した時資金不足に陥り ドッグフードを食べざるを得ない状況に 陥るということを意味するだけでなく
決断を下す事があまりにも難しいので 会社から受け取る権利のある資金を 放棄してしまっているということです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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pass up:辞退する、逃す、逸する

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これは間違った選択をしたくない、という気持ちから来る迷いです。

自分で決めたことなのにいつまでも不満が残る

The second effect is that, even if we manage to overcome the paralysis and make a choice,
we end up less satisfied with the result of the choice than we would be if we had fewer options to choose from.

二つ目の影響は このような無力感に打ち勝って 決断を下したとしても
選択肢が少なかった時と比べて 決断の結果に対して 得られる満足度は低いということです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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選択肢が多いほど、あっちの方が良かったかな、、と気になってしまいますよね。

And what happens is, this imagined alternative induces you to regret the decision you made,
and this regret subtracts from the satisfaction you get out of the decision you made,
even if it was a good decision.

そこで何が起こるかというと この取らなかった選択肢が 自分の決断を後悔させることになり
この後悔が下した決断の満足度から 差し引かれていくのです
例えそれがとてもいい決断だったとしても

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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induce:誘発する

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subtract:取り去る、差し引く

この単語は#2の「人生にマンネリしたら試したい30日チャレンジ」でも出てきました。

色々なコンテンツに出てくると暗記なんてしなくても自然と覚えていけるようになります。

リンクはこちら👇

【おすすめTED解説】人生にマンネリしている人に試してみてほしい「30日チャレンジ」

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これについては、別の例も挙げています。選択肢が多すぎると、選ばなかった選択肢のいいところを想像してしまって選んだ選択肢に不満を持ちやすいといいます。
その例というのが、この絵です👇

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休暇をハンプトンズで過ごすカップルの絵です。

高級な別荘、静かな浜辺、いいお天気で最高に幸せ・完璧なはずなのに、ニューヨークの自宅の目の前の駐車場が気になるというのです。

便利な駐車場なのでいつも埋まってしまっているのですが、今は夏休みで皆出かけているので、その素敵な駐車場が空いているはず・・・と気になって仕方がない、ということみたいです。

And he spends two weeks nagged by the idea that he is missing the opportunity,
day after day, to have a great parking space.

そして2週間 毎日毎日 あの素晴らしい駐車スペースを逃している という考えに 捕われているのです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
NEW WORD

nag:不満を言う、悩ます

セレブの避暑地、ハンプトンズです。

期待値が高くなりすぎる

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次の事例はバリーさんの体験談です。ジーンズを買い替えに行った際、とてつもない種類から選ばなくてはならず、辟易したそうです。

And the shopkeeper said, “Do you want slim fit, easy fit, relaxed fit? You want button fly or zipper fly? You want stonewashed or acid-washed? Do you want them distressed? Do you want boot cut, tapered?” Blah, blah, blah on and on he went.
My jaw dropped.

すると店員が 「スリムとストレートとリラックスと どれにしますか? ボタンフライかジッパーにしますか? ストーンウォッシュそれともアシッド? ダメージ加工のものにしますか? ブーツカットにするかテーパードにするか それともそれとも」と永遠に続く
私は呆れて何も言えなくなって しまったのです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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jaw drop:驚いて開いた口が塞がらない、唖然として

画像検索してみてください。この表現のイメージが沸くと思います。

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その後、一時間ほど試着し続け、最高の一本に出会えたそうです。

ただ、気分は最悪だったと言います。

The reason I felt worse is that with all of these options available, my expectations about how good a pair of jeans should be went up.
I had very low, no particular expectations when they only came in one flavor.
When they came in 100 flavors, damn it, one of them should’ve been perfect.

私の気分が最悪だった理由は これだけ多くの選択肢が 与えられていることで 私にとっての良いジーパンの 期待値が上がったからです
もともと 選択肢が一つしかなかった時は 全く期待などしていなかったのです
それが100に増えてしまったとたんに、 どれかひとつ完璧であるべきだと

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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確かに良いものはゲットできたけど、完璧なものではない。

想像上の完璧なものと比べると結果的に満足度は低くなってしまう、と言います。

たとえ選んだものの結果が良かったとしても、他の素晴らしい(かもしれない)選択肢と比較すると満足度は下がってしまうのです。
👇の絵は、選択肢がどれも素晴らしいと、どれを選んでも必ず後悔する、ということを示しています。

どれも素晴らしそう。間違いなくがっかりする。
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そして、もはや「全ての選択肢がひどかった頃の方が良かった」と言います。

なぜなら、もともと期待なんてしていないので、いい意味での驚きをもたらす経験をすることが可能だったから、と言います。

Nowadays, the world we live in — we affluent, industrialized citizens, with perfection the expectation —
the best you can ever hope for is that stuff is as good as you expect it to be.

今現在 我々裕福な産業国に住む市民が この世界で生きている限り 期待値が完璧を求めている中で
望みうる最高のことは 期待通りということなのです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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affluent:裕福な

You will never be pleasantly surprised, because your expectations, my expectations, have gone through the roof.

良い意味での驚きというものは あり得なくなっている それは我々の期待値が 天井知らずになってしまったからなのです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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go through the roof:天井知らずに非常に高くなる

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なので、幸せになる秘訣は、期待しないこと、だそうです(笑)

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選択が私たちを苦しめる

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ジーンズが1種類しかない世界では、買ったジーンズがイマイチだったとしても自分のせいではありません。

でも100種類のジーンズから1つ選び、それがイマイチだったとしたら。多くの人は、自分を責めてしまいますよね。
そのような世界というのは、私たちにとって生きづらい世界なのではないか、とバリーさんは言います。

Clinical depression has exploded in the industrial world in the last generation.

ここ数10年で産業国において鬱病が 爆発的に増加しました

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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last generation:現代の人々

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もちろん、この選択肢の多さが原因のすべてというわけではないが、人々の期待値が高すぎて、経験が不満足なものになってしまっている、と言います。

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もちろん、世界中には、選択肢が少なすぎる場所、というのも存在するので、この問題は西欧社会独特の問題とも言える、と言います。
そこで、バリーさんは👇のように提言します。

If some of what enables people in our societies to make all of the choices we make were shifted to societies in which people have too few options,
not only would those people’s lives be improved,
but ours would be improved also.
This is what economists call a “Pareto-improving move.”
Income redistribution will make everyone better off, not just poor people, because of how all this excess choice plagues us.

我々の社会において 多くの選択肢を可能にしているものを 選択肢が少なすぎる社会に 移す事ができたとしたら
選択肢の少なすぎる社会の人たちの 生活が向上するだけでなく
我々の生活も向上するのです
これが 経済学者が言うところの パレート改善ということです
収入の再分配は 貧しい人たちだけでなく 全ての人たちを幸せにします それは多すぎる選択肢の悩みから 解放されるからです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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plague:苦しめる、疫病にかからせる

今回は動詞で使われていますが、名詞も同じ単語です。災難、疾病などの意味です。

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最後のイラストです。

”限界なんてないよ、願ったとおりになれる”

You’re supposed to read this cartoon and, being a sophisticated person, say, “Ah! What does this fish know? Nothing is possible in this fishbowl.”
Impoverished imagination, a myopic view of the world —
that’s the way I read it at first.

洗練された人は 「この魚が何を知っているのだろう この金魚鉢の中では 何も可能性などないことを 知っているでしょうに」と言うべきなのです
想像力の欠如 近視眼的な世界観
私も初めはそのように解釈していました

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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impoverish:貧しくする

NEW WORD

myopic:近視眼的な

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しかしバリーさんは、考えを進めていくうちに、

この魚はもしかしたら何ごとかを知っているのではないか、と思うようになったそうです。

Because the truth of the matter is, if you shatter the fishbowl so that everything is possible, you don’t have freedom.
それは 究極のところ 可能性を広げるために 金魚鉢を叩き割ってしまったら 得られるのは自由ではなく 無力感だからです

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript
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shatter:粉々にする、粉砕する

閉店ガラガラのシャッターの方は、shutterです。

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金魚鉢の外へ出て自由になったつもりでいても、結局は無力感と不満足が増大するだけだと。
そして、最後に、このように締め括られます。👇

Everybody needs a fishbowl. This one is almost certainly too limited — perhaps even for the fish, certainly for us.
But the absence of some metaphorical fishbowl is a recipe for misery and, I suspect, disaster.

みんなが金魚鉢を必要としています 今あるものはどうしても限界がある 我々にとってだけでなく 魚にとってさえも
でも隠喩的な金魚鉢の欠如は 不幸を作るレシピに過ぎません また 大災害のもとにもなることでしょう

TED公式サイトより引用
https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice/transcript

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いかがでしたか?

選択肢の多さによるネガティブな面については、確かに事実であると言えると思います。

ただし、選択肢の多さがその人の未知なる可能性を引き出すトリガーにもなりうると思うので、一概に害悪とも言えないかな、と、個人的には思います。
   

   
私はこのプレゼンを聴いて、自分の結婚式の会場選びのことを思い出しました。

一生に一度のビッグイベントだから絶対に失敗したくないという思いが強く、かなりの時間をかけて決めたのを覚えています。

でも結局、決めたあとも他の会場を見てしまって、あっちが良かったかな、こっちが良かったかな、と、いつまでもうだうだ言っていました。

でもその時主人に「どの会場も素晴らしいんだから、決めた会場でいかにいい式が挙げられるかを考えたら?」と言われたんです。

まったくその通りだなと。

それからは仕事でも私生活でも、自分の下した決断に後悔するのではなく、その道をよりよくしていく方に頭を捻るように心がけています。

たいていのことには正解がないですもんね。 

それでは、また次回♡

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