こんにちは、ricaです。
TED talks を300コンテンツ以上視聴してきた私が、おすすめの TED talks を解説付きで紹介します。
Talkの内容を要約しながら英単語やフレーズなどピックアップしています。
英語学習にも、日々の学びにもお役立ていただけると思いますので是非ご覧ください♩
*********
先日、書店でこちらの書籍が大きく陳列されていました。
初版の発行は2013年ですが、現在でも売れ続けているベストセラーのビジネス本です。
こちらの書籍は、Googleやゴールドマンサックスなどの一流企業にもコンサルティングをおこなっている組織心理学者のアダム・グラントさんが書いていて、TEDでこの書籍の内容を10分程度に短くまとめてプレゼンしています。
腐ったリンゴを1つ入れておくと、他のリンゴも腐り始めるという表現は聞いたことのある方は多いと思いますが、こちらのtalkでは良い組織・強い組織を作るためにどのような対策をすべきかが語られています。
最近では、この概念が浸透してきていてリテラシーの高い方の間では当たり前にgiver(ギバー)、taker(テイカー)などの単語が使われるようになってきましたね。
talkの要旨はこんな感じです。
- 人は組織において3つのタイプに分類される
- giver(誰かに何かをしてあげようと考える利他的な人。全体の30%)
- taker(誰かに何かをしてもらおうと考える利己的な人。全体の20%)
- matcher(giverとtakerの中間。全体の50%)
- giverは組織全体を良い方向に成長させ、個としての成績も優秀な場合も多いため、組織にとって必要不可欠な存在
- 組織を形成する上で鍵となるのは、いかにtakerを排除し、giverが活躍できる環境を構築できるか
メンタリストDaiGoさんやオリラジ中田敦彦さんもYouTubeで紹介されています。
*********
Are you a giver or a taker?
「与える人」と「奪う人」—あなたはどっち?
Adam Grant
アダム・グラント
2016年11月
13:28
話すスピードの速さ | ★★★★☆ |
動画の長さ | ★★★☆☆ |
語彙の難しさ | ★★★☆☆ |
アクセントの難しさ | ★☆☆☆☆ |
お笑い要素 | ★★☆☆☆ |
このtalkは内容そのものも素晴らしいですが、文章の構成も勉強になります。
メッセージやポイントがしっかり整理されていて簡潔に構造化されています。
こういった文章の構成の仕方に慣れておくと、自分が書いたり話したりする時もうまくできるようになると感じます。
ナルシスト診断テストで自分のタイプを知ろう
as an organizational psychologist, I spend a lot of time in workplaces, and I find paranoia everywhere.
私は組織心理学者なので 訪問先企業で過ごすことが多いのですが どこもパラノイア(疑心暗鬼)が はびこっています
パラノイアとは、
「 不安や恐怖の影響を強く受けており、他人が常に自分を批判しているという妄想を抱くものを指す。妄想性パーソナリティ障害の一種。」
wikipediaより引用させていただきました。
Paranoia is caused by people that I call “takers.”
Takers are self-serving in their interactions.
It’s all about what can you do for me.パラノイアの発生元は 「テイカー」(奪う人)です
他人とのやり取りにおいて 利己的な人です
「何をしてもらおうか」 という意識の人です
The opposite is a giver.
It’s somebody who approaches most interactions by asking, “What can I do for you?”反対が「ギバー」(与える人)です
普段 他人とやり取りするときの意識が 「何をしてあげようか」な人です
※matcherは後から出てきます
ここでアダムさんは、観衆たちが自分がどちらのタイプなのかテストをします。
読んでいるみなさんもやってみてください。
まずはこちらの画像を数秒見てください。
STEP1:自分自身について少し考えてください
STEP2:この手順に行き着いた人はナルシストではありません
これで終わりです(笑)どうでしたか?
アダムさんによると、ナルシスト=takerというわけではなく、
燃え尽きてばかりでうんざりした元giverや、
サイコパスなどもこのテストに引っかかるようです。
I was curious, though, about how common these extremes are, and so I surveyed over 30,000 people across industries around the world’s cultures.
この両極端な特性の人々が どれだけいるのか 興味を惹かれ 世界の文化をまたぎ 色々な業界の3万人以上を対象に 調査を行いました
その結果がこちらです。
If you’re a matcher, you try to keep an even balance of give and take: quid pro quo
– I’ll do something for you if you do something for me.「ギブ」と「テイク」の 均等なバランスを保ちたがる代償型の人—
つまり「何かしてくれたら 私も何かしてあげる」という人です
仕事ができるのはどのタイプか?
アダムさんの数千人規模に渡る調査の結果です。
And, unexpectedly, the worst performers in each of these jobs were the givers.
意外にも それぞれの職業において 最低の成績を出していたのはギバーでした
残念な結果です。
他人の仕事を手伝ってあげたりしているうちに、自分の仕事が終わらず生産性が下がってしまうのだそうです。
この話だけを聞くと、giverってめちゃくちゃ損じゃん!と思いますよね。
But actually, it turns out there’s a twist here,
because givers are often sacrificing themselves, but they make their organizations better.でも 実のところは そう単純な話ではありません
ギバーは しばしば 自己を犠牲にしてしまう一方で 組織に改善を起こす人でもあるのです
the more often people are helping and sharing their knowledge and providing mentoring,
the better organizations do on every metric we can measure:
higher profits, customer satisfaction, employee retention — even lower operating expenses.人々が助け合い 知識を共有し合い 面倒を見合う頻度が高い組織ほど
測定可能な あらゆる指標において 優れていました
利益率 顧客満足度 従業員の定着率は高く 営業費削減につながってさえいたのです
赤線部分ですが、the more 〜 the moreの構文が使われています。
中学で習う表現ですが、TEDにも頻出の表現です。
if givers are the worst performers, who are the best performers?
成績ビリがギバーなら トップは誰なのでしょう?
普通に考えるとtakerですが、、、
実はtakerではないのだそうです。
Takers tend to rise quickly but also fall quickly in most jobs.
And they fall at the hands of matchers.テイカーは大体の職種において すぐ伸びますが すぐ落ちます
マッチャーに足元をすくわれるのです
matcherのモットーは「目には目を」なので、takerを懲らしめようとするらしいのです(笑)
Well, most people are matchers.
And that means if you’re a taker, it tends to catch up with you eventually; what goes around will come around.大体の人はマッチャーなので
テイカーには結局 ツケが回ってくることになります 「因果応報」というわけです
では、成績トップはmatcherですね!
と、言いたいところですが、これも違います。
In every job, in every organization I’ve ever studied, the best results belong to the givers again.
私が観察してきた どの職種でも どの組織でも 首位にいたのも なんとギバーでした
定量化しやすさの観点から、各営業マンの売り上げを指標に成績の良し悪しを評価すると、以下の結果が得られました。
この結果を踏まえると、当然、こんな疑問が沸いてきます。
How do we create a world where more of these givers get to excel?
もっと多くのギバーが成功する社会は どうしたら作れるのでしょうか
成功するgiverを増やすチームビルディングの方法
組織にとって最も貴重な存在がgiverであり、気をつけないと燃え尽きてしまうことを認識する
giverを守り、自分自身もgiverに近づくためにできることというのが、
”5 minutes favor(5分間の親切)”です。
You just have to find small ways to add large value to other people’s lives.
That could be as simple as making an introduction between two people who could benefit from knowing each other.
It could be sharing your knowledge or giving a little bit of feedback.他人の人生に大きな価値を与える ちょっとした方法を 見つけさえすればいい
例えば 知り合うと良さそうな人同士の 間を取り持つといった シンプルなことでもいいし
知識を共有したり 率直な意見を言ってあげたり
And those five-minute favors are really critical to helping givers set boundaries and protect themselves.
この「5分間の親切」は ギバーが対人関係で境界線を引き 自分自身を守るのに必要不可欠です
誰もが頻繁に助けを求める文化をつくる
The second thing that matters if you want to build a culture where givers succeed,
is you actually need a culture where help-seeking is the norm; where people ask a lot.大事な点 2つ目 ギバーが活躍できる環境作りには
人に頼ることが当たり前であるという 下地がまず必要です
この助け合いの雰囲気を作ることは、
giverの成功や喜びを守ってあげるのはもちろん、
giverのように振舞う人を増やすのにも効果があるそうです。
But a lot of people don’t ask.
They don’t want to look incompetent, they don’t know where to turn, they don’t want to burden others.大抵の人はこれ(※助けを求めること)ができません
理由は無能だと思われるのが嫌だとか 誰に頼めばいいか分からない 負担をかけたくないなどです
誰も助けを求めてこない組織下では、人の役に立ちたいと考えているgiverはストレスを抱えてしまうのだそうです。
誰をチームに迎え入れるかよく考えて決める
giverばかり採用すれば良い、ということではないのだそう。
the negative impact of a taker on a culture is usually double to triple the positive impact of a giver.
1人のテイカーがいると 1人のギバーがもたらす— 好影響の2倍から3倍の 悪影響が生じることが分かりました
let even one taker into a team, and you will see that the givers will stop helping.
They’ll say, “I’m surrounded by a bunch of snakes and sharks. Why should I contribute?”テイカーを1人でも チームに入れるだけで ギバーたちは出し惜しみを始めます
「周りはキツネ野郎や タヌキ野郎ばかりだから 力を尽くすだけ損だ」と
ではgiverを1人入れるとどうなるでしょう?
悲しいことに、急に親切の連鎖が始まるということはなく、
「この人に任せちゃおう♩」とgiverへの搾取が始まります・・・。
では、どう組織を形成すれば良いのか?
So, effective hiring and screening and team building is not about bringing in the givers;
it’s about weeding out the takers.効果的な採用活動や チーム作りにおいて 大切なのはギバーを登用することではなく
テイカーを排除することなのです
うまくやればgiverとmatcherだけが残ります。
matcherは周りに合わせるという性質を持つので、
giverの親切を搾取するような人はいなくなります。
いい人=giver、悪い人=takerは、思い込み。面接でヤバイ人を見抜く方法とは
takerは排除しなければならないということは分かりましたが、
誰がtakerなのか、takerであることを見抜くことはできるのでしょうか。
We’re actually pretty bad at figuring out who’s a taker, especially on first impressions.
There’s a personality trait that throws us off.
It’s called agreeableness,
one the major dimensions of personality across cultures.実のところ私たちは テイカーを見抜くのが かなり苦手で 特に初対面ではうまくいきません
ある性格特性に 気を取られてしまうのです
「人当たり」というものです
様々な文化において 性格の大きな要素の1つです
アダムさん自身も、
初めはgiverは人当たりが良く、takerは悪いと思っていたようですが、
データを見ると人当たりの良し悪しとgiverであること/takerであることには何も相関性もなかったそうです。
because it turns out that agreeableness-disagreeableness is your outer veneer:
人当たりの良さ・悪さは 表向きの姿だからです
giverであること、takerであることというのは各個人の内面的な部分であり、その人の価値観や他人についてどう感じているかに左右されます。
そこで、コンサル業らしく、アダムさんはそれぞれのタイプを4象限で整理してくれました(笑)
更にまとめてみました。
右上の詐欺師タイプは是非とも排除したいですよね。
このタイプを見抜くために面接ですべき質問というのがこちらです。
“Can you give me the names of four people whose careers you have fundamentally improved?”
「自分のおかげでキャリアが 劇的に向上したと思う人を 4人挙げてください」
takerは自分より地位があって影響力のある人ばかり挙げるのだそうです。
成功とは何か
こうしてうまいことtakerを駆逐することができれば、成功とは何か、という考え方も変えられると言います。
Instead of saying it’s all about winning a competition, people will realize success is really more about contribution.
競争を勝ち抜くことが全てではなく 貢献そのもののほうが大事なのだと 皆 気づき始めるでしょう
そして、最後はこのように締め括ります。
I want to live in a world where givers succeed, and I hope you will help me create that world.
ギバーこそが成功するような 世界を作っていくのに 皆さんの力を 借りることができたら嬉しいです
*********
いかがでしたでしょうか。
職場や学校、あらゆるコミュニティで「いつもあの人はお願いばかりしてくる・・・」「あの人はいいように使われている・・・」など思うことは多々ありますが、
そのような人たちはこのように整理され、それぞれの特性が組織の成長に大きな影響を与えていることに気が付かされました。
オリラジのあっちゃんがこちらの書籍の内容を動画で解説されています。とても分かりやすいので、こちらも参考にしてみてください。(内容はほぼこのtalkと同じです)
書籍はこちらから↓
それでは♡
コメント